かいじん二十めんそう
あるおひるすぎのことです。 東京のまつなみ小学校のこうていで、みんながあそんでいました。 休み時間なので、一年生から六年生まで、かけまわったり、キャッチボールをしたり、きかいたいそうをしたりして、あそんでいたのです。 「あっ、ヘリコプターだっ」 だれかがさけびました。 「ほんとだ。ヘリコプターだ」 口々にさけびながら、みんな空を見上げました。 よくはれたまっさおな空に、ヘリコプターが小さくうかんでいました。高くとんでいるので、のっている人のすがたは見えません。 「あっ、びらだよ。びらをまいたよ」
また、さけび声がわきあがりました。 おお、ごらんなさい。ヘリコプターから、さあっと、こなのようなものがふき出したかと思うと、それが、きらきらとかがやきながら、ゆっくりおちてくるのです。 おちるにつれて、こなのようなものが、すこしずつ大きくなり、それが、空いちめんにひろがってきました。 「きれいだねえ。金色に光っているよ」 ほんとうに、そのひとつびとつが、金色に光っていました。 紙のびらではありません。なんだかへんなものです。 「あらっ、あれ、おめんだわ。金色のおめんよ」 女の子がさけびました。